こんにちは、管理人です。
僕は普段ヘルスケア関連の
仕事を中心にしていますが、
最近、ヘルスケアに関する
とても興味深い名著に巡り合いました。
✓最近何となく体調がすぐれない
✓目の前のことに集中できない
✓パフォーマンスが下がってる
そんな風に感じる人には
きっと役に立つ内容です。
僕がこの本に出合って思ったのは、
なるほど、自分のパフォーマンスって
実は、こんなにも上がりも下がりも
していたのか!?ということでした。
僕はすぐにラクをしたがる
怠惰人間なのですが、
ラクをするんじゃなくて、
ラクにやるって選択肢があったのね!?
ってことに気づきました。
本書は、僕たちのさまざまな体調不良が、
同じひとつの原因によるものだと指摘します。
それは、だるさ、とれない疲れ、集中力散漫、
そして、肥満、不眠から、なんと鬱に至るまで。
それらのひとつの原因は、
全て「炎症」であると言う事を
たくさんのエビデンスを引きながら、
解説してくれています。
この本を読むと、
現代のだいたいの体調不良は
まとめて解消できるものなんだ、
という希望が湧いてきます。
今日は、この本を参考に、
現代の体調不良の原因と
それらを改善する対処法を
紹介していきます。
きっとお楽しみいただけます。
いろんな病気、まとめて全部、炎症です。
まず、炎症って何でしたっけ?
というおさらいから。
炎症とは、
侵入してきた異物により
ダメージを受けた体の修復作業です。
肥満と鬱の対処法が同じ!?
ていうか、肥満が炎症なの!?
と思いません?
でも、そうなんですって。
鬱も炎症物質が脳で出ている
ということが最近明らかに
なってきています。
また、肥満においては
あの内臓脂肪ってヤツが
体にとっては異物です。
もっと分かりやすいところで言えば、
ウイルスやアレルギー性の疾患も、
たとえば、水虫やフケかゆみも、
全部体が異物と判断した
炎症によるものです。
静かに慢性的に分かりにくく。
様々な謎の異物に対する長期戦で
体は疲弊して、パフォーマンスを下げて、
やがて病んでいきます。
一方で、これらは全部、
原始の時代にはありえなかった
ことだそうです。
原始の時代からあったのは、
もっと分かりやすくて短期の炎症。
すりむいた、ひっかいた、風邪ひいた、
とかですね。
つまり、
これら謎の慢性的な炎症からくる不具合は、
全部まとめて「文明病」と呼べるのです。
何故、謎の炎症が起きるのか?
謎の炎症から引き起こる謎の体調不良。
これを文明病と呼ぶ理由は次の通りです。
人間とチンパンジーの共通の祖先、
この登場が600万年前。
その後、人類として進化したのは、
20万年前だと言われています。
それから、人類が農業を始めたのは、
約19万年後、今から1万2千年前です。
つまり、農業革命が起きて
以降の人類の歴史は、
全体のほんの数パーセント。
それまでの人類史の大部分、
何十万、何百万年もの間は、
狩猟採集の時代でした。
そんな長らくの狩猟採集時代から、
急激なスピードで文明を築いたのが、
人類です。
この文明の進化のスピードに、
カラダの進化が追い付かない、
このギャップで「炎症」が発症する。
という文脈です。
文明病をもたらす「やり過ぎ!」3つ
では、そのギャップとは、
具体的にどんなものでしょう?
長らくの狩猟採集時代に
人間の脳にゴリゴリに
インプットされた生き方。
それは、
その日、とれるかどうか分からない
獲物や食料を何とかとって食べる。
朝、明るくなったら起きて
夜、暗くなったら眠る。
知ったもの同士の小集団の
運命共同体で生活を送る。
というものでした。
一方、現代はというと…
摂取カロリーは増え続け、、
一晩中でも、ネットで
誰とでも繋がれる
そんな現代の生活と
脳にインストールされている生き方は、
あまりにかけ離れ過ぎています。
その結果。
・多すぎるカロリー
・少なすぎる睡眠
・新しすぎる孤独
という問題が起きています。
だから、
食べすぎず、よく眠って、
信頼できる友達をもってください。
対策はこうしたことです。
本書では、これらに対する
幾つもの提案がエビデンス付で
紹介されています。
その中からできることから
やればいいのです、と言います。
さ、では、一緒に
その炎症とやらを抑え込みましょう。
戦略1「腸」の免疫システムを呼び覚ます
慢性的な炎症に有効だと言われる
3つの戦略があります。
それは、
・「腸」
・「環境」
・「ストレス」
への対策です。
そもそも「腸」の機能とは
食物を消化する際に、
腸は、吸収するべき栄養素と
排出すべき異物を
見分けています。
この機能を支えているのが
腸内細菌です。
人間にとって原始の時代から
腸内細菌は大親友。
僕らは腸内細菌なしには
生きてはいけません。
ここに異常が起きると、
有害物質が血管に侵入してしまい、
体のあらゆるところで
慢性的な炎症を活性させてしまいます。
つまり、
腸は人体の免疫システムの要です。
腸への対策は2つ、
腸内細菌と仲良くする事と、
腸内細菌をもてなす事です。
腸内細菌と仲良くする
まずは、仲良くの仕方から。
抗生物質と抗菌グッズ
抗生物質や、
抗菌・殺菌のしすぎには
注意しましょう。
これらは、腸内細菌を
死滅させます。
もちろん、文明を進化させた
今となっては必要なものが
少なからずあります。
ただ、むやみに
抗生物質を使う事や、
毎日毎回薬用せっけんで
手を洗うことや、
家中にファブリーズを
かけまくるのは、
腸内細菌と喧嘩するような
ことだったのです。
空気をきれいに
それから、
空気をきれいに保つこと。
できれば、
を使うといいそうです。
腸内細菌をもてなす
腸内細菌と仲直りした上で、
発酵食品や食物繊維を
積極的に摂ります。
発酵食品と食物繊維
発酵食品は腸内の善玉菌を増やし、
食物繊維は善玉菌の餌になります。
例を挙げますね。
(発酵食品)
・キムチ
・納豆
・ヨーグルト
・ナチュラルチーズ
※プロセスチーズは熱処理で善玉菌は死んでるみたいです
(食物繊維)
・きのこ類
・ごぼう
・おくら
・海藻
・りんご
プロバイオティクス
腸内では、常に善玉菌と
悪玉菌とが戦っています。
この優劣を決めるのは
善vs悪の細菌の数です。
発酵食品を摂るようにしても
改善されない場合は、
それまでの生活習慣で、
激しく悪玉菌の数が増えて
しまっているかもしれません。
そんな時は、
プロバイオティクスを摂ると
いいそうです。
本書でエビデンスがあるとして
紹介されているのは次の4つです。
・「 ビオスリー Hi錠」
・「 Probiotic-3」
・「 カルチュレル 30 ベジカプセル」
・「 NOW サッカロミセス ブラウディ」
食物繊維のサプリ
食物繊維を積極的に摂るのは
現代の生活様式では簡単では
ありませんね。
あなたの生活環境がしっかり
自炊できる環境ならいいのですが。
本書では、食物繊維が獲りにくい
場合のサプリメントの紹介もありました。
・難消化性デキストリン
・オオバコ
・イヌリン
・レジスタントスターチ
戦略2「環境」を整える
人は環境に大きく影響されます。
中でも、自然と友人。
この2つは不調を解消するのに
大きな作用をもたらします。
戦略の2つめは、こういった
環境の設計です。
自然と戯れる
長らくの狩猟採集時代、
人類は深く自然と接してきました。
自然に触れていると気持ちが安らぎますが、
それは、科学的にも裏付けられています。
自然には、人間の副交感神経を
活性化する働きがあります。
そして、この副交感神経は、
日中にたまった疲れやダメージを回復します。
自然がここまでの効果を持つのは、
人類の「感情システム」に影響を
与えるからだといわれます。
人間の心の働きは大きく分けると
次の3種類で構成されています。
・興奮=「喜び」「快楽」
・満足=「安らぎ」「親切心」
・脅威=「不安」「警戒」
自然の環境は、この3つを
バランスよく刺激します。
季節の移ろいや草木の変化が
程よい興奮をを生み、
緑に守られている安心感が
心地よい安らぎを生み、
森や川に潜む未知の脅威が
ときに警戒を生みます。
自然のなかにいれば、
特定の感情が暴走
することはありません。
でも、現代人はというと…
満足、安らぎを司る
感情がいかれがちです。
文明の進化に、
過度な興奮と不安を煽られて、
その上、自然と絶縁してしまっては、
安らぐ暇がないのです。
そこで、
少しでも自然と戯れる環境づくりが
ポイントになるわけです。
まずは、自然の画像や動画や音、
それだけでも効果があるそうです。
パソコンの壁紙やスマホの待ち受け、
海や緑や川の写真、動画。
こういったものから始めてOkです。
次に、好きな観葉植物を選び、
つねに目の入る場所に置きましょう。
また、緑のある公園へ
2日に1回は足を運ぶこと。
太陽の光を浴びること。
年に3~4回は、キャンプや山登り
魚釣りなどに出かけること。
こんなことで効果が得られるそうです。
是非、生活の中に自然と戯れる習慣を
取り入れてみてください。
5人の親友をつくる
狩猟採集時代の人々は、
家族+数人の小集団で生活をしました。
今の様に、多くの人から「いいね!」を
もらい仲良くするようなプログラムは
人の脳にはインストールされていません。
こういう新しすぎる人間関係に、
異様に疲れを感じたり、
承認欲求を拗らせたり、
僕らは新しい孤独を感じるのです。
これに対する対策は、
家族と家族以外の信頼できる
友人5人をあなたの近くにおくことです。
この人は自分を絶対に裏切らない!
信頼のおける人の存在は、
安心の神経伝達物質オキシトシンの
分必を促します。
信頼できる友人を作るには、、
信頼できる人との接触時間を増やしましょう。
そして、一緒に同じことをやりましょう。
そのうえで、
まず、こちらから相手を信頼すること。
私はあなたを絶対に裏切らない!
このメッセージは友人への
最高の貢献です。
5人の親友を作るコツ、それはまず、
あなたから友人を信頼することです。
戦略3 「慢性ストレス」を軽減する
狩猟採集時代にも
ストレスはあったと
考えられています。
それは、大きくて強い
猛獣などの敵の存在です。
つまり、当時のストレスは
一時的で短期的なものでした。
一方、現代のストレスは、
慢性型です。
脅威の神経伝達物質の
アドレナリンが長く継続的に
分必されつづけます。
過剰なアドレナリンを抑える
働きをするのがコルチゾールという
物質ですが、長く続く慢性ストレスは、
このコルチゾールを
無効化してしまいます。
そんな慢性ストレスに対するのが
戦略の3つめ。
重要なのは睡眠と運動です。
睡眠
睡眠は7~9時間が必要だそうです。
また、質の高い睡眠とは、
次のようなものです。
①30分以内の就寝
寝床に就いてから、
30分以内に眠りにつけているか?
スッと寝付けるのが
いい睡眠です。
②起きるのは1回まで
夜中、途中で目を覚まさないで
朝まで眠れるか?
起きてしまっても1回まで。
何度も起きてしまう眠りは、
良質とは言えません。
③20分以内再眠
一度、睡眠中に
目を覚ましてしまっても、
またすぐ眠りにつけるか?
20分以内の再眠できるのが
いい睡眠です。
④80%以上寝床
たとえば移動中に眠る
みたいなことを入れて、
一日の睡眠時間を補填する場合、
それは、全体の20%まで。
それ以上になってしまうと、
良質な睡眠とはいえません。
この4つの項目がひとつでも
できていなければあなたの睡眠は
もうひとつです。
でも、このように明確で、
自己判定できる基準が
あるのはありがたい限りです。
良質な睡眠をとるポイントは、
朝、光を浴びることと、
夜には光を避けること。
体内時計であるメラトニンという
物質は光によってコントロール
されています。
早寝早起き。
夜、スマホをいじらない。
ということですね…
はい、分かりました。
運動
運動に対しては
とても、やさしい指導です^^
・最低12分以上の早歩き
・週2~3回以上
これでOK!だそうです。
これはありがたいです。
普通です。
おしまいに
まとめると…
・現代の体調不良はだいたい炎症、それには…
・乳酸菌と食物繊維で腸を整える
・自然を取り入れた環境を整備する
・睡眠と運動でストレスを抑える
てことでした。
私には、プロバイオティクスと
睡眠がとっても効きました。
観葉植物はもともと好きでしたが、
この際にもう少し増やしました。
とても癒されます。
この記事の参考文献は、こちらです。
この本は、ひとつひとつのアイデアに
さまざまな学術文献を引いてあって、
再現性の高い真実が詰まっている
ことが伺えます。
名著は、読むタイミングによって、
ピン!とくる部分が違って
新しい発見があるものです。
きっとこの本もそんな一冊
のように思います。
また、違ったタイミングで
読み返してみたいと思いました。
尚、今回は、この本で取り上げられている
文明病のひとつの原因「炎症」の
部分にスポットを当てました。
実は、この本には文明病のもうひとつの
原因が取り上げられています。
それは…
「不安」です。
「分かりにくい炎症」と同じように、
「ぼんやりとした不安」もまた、
文明病の原因のひとつだという訳で、
こちらも思い当たることありまくりの
たいへんうなずける内容でした。
。
興味があれば是非、手に取ってくださいね。
では、また。
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