自分らしさってなんだ?Ⅱ. 「自分らしさを受け取る極意」

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「あなたの自分らしさって何ですか?」

もし「自分らしく生きたいのに、生きられない」とか「この生き方が自分らしいかどうか分からない」とか迷っていたら。

「ありのままの自分を肯定的に受け入れる(自己受容)」ことを習慣に取り入れてください。

ありのままの自分を肯定的に生きることが、あなたらしい人生、そのものです。それは、決してわがままに生きることにはならず、むしろ、社会と調和して生きることに繋がります。

※詳細記事:自分らしさってなんだ? Ⅰ.「自分らしく生きる方法」

その上で、

この記事では、「自分らしく生きるための自己受容の極意」について徹底解説します。これを知ることで、絶対に劣等感の克服が断然ラクになるはずです。

では、本題に入ります。

自分らしさのメカニズム

自分らしく生きることとは、ありのままの自分を肯定的に受け入れて生きることであり、これは潜在的な劣等感との向き合いまたは、克服を意味します。

この劣等感の多くは、潜在意識に潜り込んでいます。劣等感は、心の奥に保存された過去の欠乏感の記憶です。克服されないまま宿題になっている課題ともいえます。

そして、これと同類の課題が、現実の目の前に現れた時、保存された劣等感が発動します。

アドラーは感情には目的があるといいました。これはよくも悪くも、自分の性格(いわば、自分らしさ)を外に押し出すためにです。

自分らしき人が何人か居る

その時に、自分を内観して、潜在意識の中の自分の目的を探るのが、この場合の自己受容のテーマです。

もし、過去の劣等感を抱えている自分が、別にもう一人いたとしたら、彼はこう言うでしょう。

「それ、昔やって痛い目にあったヤツだぜ?うまく行かないよ。」と。

課題に立ち向かう自分と、迂回しようとする自分。この二人の自分の対立が浮かび上がります。

いろんな自分らしさを同時に受け入れる

自己受容で語られる、ありのままの自分とは、この二人の自分の両方のことです。

対立した二人の自分を受けいれるには、ある種のリフレーミングが必要です。

リフレーミングとは、コミュニケーション心理学NLPという学問の考え方で、視点を変える、または、別の枠組みで見直すことをやるわけです。

自分らしさを統合する

※イラスト「もし、アドラーが上司だったら」より

三角錐という形をイメージしてみてください。

課題に立ち向かおうとする自分と、迂回しようとする2人の自分が居る状態を例えると、この三角錐を真下から見ている自分と、真横から見ている自分がいるようなものです。

真下から見ている自分は、その課題を〇だと判断しています。真横から自分は、この課題を△だと見ています。

この二人の自分の両方を受け入れるには、もう少し視点上にあげることで可能になります。斜め上からこの課題を見てみると、これが三角錐だということが分かるからです。

課題を真下から見た自分も、真横から見た自分も両方を否定することなく受け入れるのには、もう少しだけ視点を上げること、つまり、ふたりの自分の共通の目的に出会う視点を探ることです。

これは、受容力を上げるちょっとしたひとつのスキルです。

自分らしさの統合の具体例

二人の自分両方の視点を統合すれば、計画に厚みを持たせられます。逆に、一方の自分を排除して計画すれば、実行中ちょいちょい反対意見の自分が顔を覗かせ、エネルギーが半減してしまいます。

人の行動や感情には目的があります。課題に立ち向かうか迂回するかは、手段にすぎません。そこで、この二人の自分の共通の目的を探ります。

次のふたつのケースはともに、ポジティブな自分とネガティブな自分、どちらの視点も取り入れた行動計画を引く例です。

ケース1:成長が目的

課題に立ち向かうべきか、迂回するべきか?この二人の自分を内観し、その共通の目的が、例えば「自分自身の成長」だったと気づいたら、この二人の力をこんな風に合わせることが可能です。

特に、時間的な制約も、ゴール設定もなく、私自身の成長ベクトルを持ち続けることが私の目的だとしたら。じっくり行きましょう。失敗によってむやみに自信を喪失することに意味はない。つまり、まずは、課題に立ち向かうための十分な準備・学習をすることから始めよう。

ケース2:成功が目的

また、この二人の自分を内観し、その共通の目的が、例えば「事業の成功」だったと気づいたら、こんな風に、この二人の力を合わせることも可能かもしれません。

この挑戦は、失敗する可能性はある。その失敗によるリスクもある。しかし、この事業を成功させる大きなチャンスでもある。そして、こんな機会はめったにない。この課題に立ち向かおう。そのために「不完全である勇気」「失敗する勇気」「間違えが明らかになる勇気」を心に準備しよう。これで常にチャレンジする自分をありのままに内観ができる。また、この貴重なチャンスへの挑戦を記録して残そう。結果の如何に関わらず、挑戦しなければ得られなかった財産に必ずなるはずだ。

といった具合です。

自分らしさを分離し排除するとどうなるか?

ケース1:ネガティブな自分を排除する

では、自己受容しないまま、迂回しようとする自分を切り捨てて、課題に立ち向かおうとするとどうなるでしょうか?

「為せば成る」「元気があれば何でもできる」「自分は必ず成し遂げる」そんな風に自分を鼓舞すればするほど、迂回しようとした自分、過去に同類の課題で痛い目に合った自分のことがよぎります。

残念なことに、課題に対してネガティブな自分を邪魔者扱いにして排除したことによって、課題解決のパワーがレベルダウンしてしまいます。

さらに、残念なことにこの挑戦は失敗に終わると、「やっぱりか」と、さらに、同類の課題に対する自信を失ってしまいます。もう一段階、劣等感を拗らせてしまいます。

ケース2:ポジティブな自分を排除する

逆に、課題に立ち向かう自分を切り捨てて、迂回をしても同じことです。いいえ、「挑戦しない自分」というもう一つ別の劣等感を積み増ししてしまうかもしれません。

そんな感じです。

まとめ

課題に立ち向かうか?迂回するか?この状況をありのまま受容するとは、些末な方法論の葛藤から、二つの本来の目的が交わるところまで、視点を上げるということです。

この本来の目的に向かえば、自分の持っている力を分離したり、排除したりする必要が無くなります。自己肯定感が高まって、自分が存在する意義が明確になるので、課題解決する力も高まります。

また、常に自己受容を意識することで、人間のあり方、ネガもポジも踏まえた存在価値が感覚に落ちていくことで、無駄な争いや、競争の無い共同体の世界に生きる準備が整います。

あなたが、あなたらしさを繰り広げる世界の入り口に立つ訳です。

『自分らしさってなんだ? Ⅱ「自分らしさを受け取る極意」』

※参考書籍

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