最近の就活では「挫折体験」というのを聞くことが増えました。前この記事では、就活中の学生さんとのディスカッションで「挫折体験」の描き方について解説します。
採用担当役員を担当した経験から採用側の目線も合わせて紹介します。
discussion「就活の面接対策での挫折経験とは?」
質問
就活の面接対策で挫折経験を考えているのですが「高校時代、顧問と口論になって退部した」というエピソードってどうでしょう。
学外のクラブにも所属していて、自分なりに頑張って両立しているところへ「部活を優先してあちらを辞めなさい」と言われたことにカチンときて部活の方を辞めた、ということがありました。
その後、きちんと話し合う努力をするべきだったと後悔しているので、相手を尊重して話し合う大切さを学びました。
という内容です。
短気なやつだと思われてしまうでしょうか?でも嘘は話したくないし、これ以外思いつく挫折がありません。
ちなみに営業志望です。よろしくお願いします。
回答
偉人や成功をしている人のプロフィールに一度目を通してみてください。だいたい絶望的な挫折をしています。それ乗り越えて今があります、とうことを言っています。考えてみたら生まれてこの方成功しっぱなしという人はめったにいませんよね。
わたし自身を振り返ってみても、今使っている自分だけの原理や原則は、失恋や就職の失敗や数々の仕事でのミスや不遇の時に実体験で手にいれているものばかりです。そういうものが今の自分を作っています。
そんな風に企業は、挫折を乗り越えて、更に成長していくような人を採用したいと思うものなのです。
その退部のエピソードを通して自分の本質を築いた実感があったか?それってどんな?みたいなことが押さえられていれば良いのではないかと思います。
回答に対して
回答ありがとうございます!
失敗経験から本質が生まれる。本質を見抜くためにそういう質問をされるんですね。自己PRともリンクさせながら経験から生まれたものをもっと深堀りしてみようと思います!
面接官は何故「挫折体験」を聞くのか?
挫折体験が面接で取り上げられる理由は、ストレス耐性があるか、挑戦する姿勢をもっているか、問題解決力はどうか、ということを確認したいためだと思います。
これだけの激しいスピードで変化を遂げていく社会では、企業自身もかなりのチャレンジを強いられ、それ相当の挫折体験をしているはずです。これの力になってくれそうな人を是非とも採用したいのではないでしょうか。
人生における挫折とは?
名の通った人が自身の経歴を語る時、多くは大きな挫折感を味わっていて、そこで、自身の本質を書き換えるくらいの革新を行った経験が語られます。この挫折の大きさが大きければ大きいほど、その人のストーリーは輝きます。
逆算すると、優秀な人材は、挫折経験で生き方を変えている、ということになるのでしょうか。
挫折は自分自身の本質を書き換える機会!
哲学者のサルトルは、「人間は運命に支配されず、自分自身で行為を選択、決定し、自由だ」といいます。自分自身の本質を、自分自身の行為によって、作っていくわけです。
サルトルが挙げた例
ある売春宿の裏通りで女性が泣いています。
若い頃からの貧困とイジメ、家庭内の虐待にも耐えかねて家出をした過去の悲惨。ひとりで生活するために娼婦を選んだ末の、現在の抜け出せない悲惨な状況。それらを思い、自己嫌悪に泣いている。
これにサルトルは言います。
お前は決して状況の奴隷ではない。状況のせいにするということは人間をやめて人形になることを選ぶということだ。現在の状況はお前自身で選び取って作ってきた道だ。だからこそこれから先の未来の道もお前自身の選択で決定できるはずだ。自分で選び取ることは責任と重圧をともなう。その緊張に負けて物になることを選ぶのもお前の自由だ。すべてはお前自身の問題なのだ。
一見、残酷に感じるサルトルの言葉ですが、実は希望に満ちています。このようなタフな挫折に身を置いてこそ、人は自分の本質を書き換えようと決心できるのだと思います。
アドラーのライフスタイル
アドラー心理学では性格、気質、世界観、人生観まで含めて「ライフスタイル」と呼びます。
そして、このライフスタイルは、自ら選んだものだといいます。もしも、今あなたが不幸だとしてもです。それは、あなたが自分の「ためになる」と言う意味で選んだのだというのです。
どういうことでしょうか?
「誰一人として悪を欲する人はいない。(ソクラテスのパラドクス)」
根っからの悪人という人はいません。例えば、金銭絡みの怨恨による殺人のような酷い行いにも、当人には当人のしかるべき事情がある。自分の「ためになる」と自身が選んだものです。
引きこもりのような問題行動のみならず、性格、気質、世界観、人生観というものも、抗えずただただ与えられたものでは決して無い。人が変われる理由は、ここにもあるわけです。
偉人たちの挫折名言
一度も失敗をしたことがない人は、何も新しいことに挑戦したことがない人である
ーアルバート・アインシュタインー
成功を祝うのはいいが、もっと大切なのは失敗から学ぶことだ。失敗にどう対処するかで会社が社員の良い発想や才能をどれだけ引き出し、変化に対応していけるかがわかる。どんな会社にも、ミスをして、それを最大限活かしたことのある人が必要だ
ービル・ゲイツー
失敗したところでやめるから失敗になる。成功するまで続けたら、それは成功になる
ー松下幸之助ー
わたしの現在が成功というのなら、わたしの過去はみんな失敗が土台作りをしていることにある。仕事は全部失敗の連続である
ー本田宗一郎ー
うまくいかなくてもやったことは、全部将来の自分のプラスになります
ー孫正義ー
まとめ
挫折経験をもっている人の強さは社会から求められる
成功する人は挫折経験で生き方を変えている
運命に支配されない本当の自由になれるのは、挫折の時
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