挫折の無い人生などありえません。むしろ、高い壁を超えていく時に、新しいその人らしさが養われて一回りも二回りもの成長ができることが多い、そういうチャンスでもあります。
とはいうものの、現実の壁に直面してしまうと当事者はたいへんにシンドイ。しかも、それが人生のどん底だと思えるレベルの挫折なのだから。
この記事は、どん底ビジネスマンとのディスカッションの記録です。どん底を実体験している彼が今求めていたのは最強のモチベーションでした。
discussion「人生のどん底から這い上がる時のモチベーションとは?」
質問
一人の人間の虚偽の報告により仕事も辞めて、やりたくない仕事に着かざるを得なくなってどうしてもそいつが許せないし、地獄に落としたいけど、恨んでいてもプラスはない。
新たな夢見つけて毎日仕事終わりに勉強を3.4時間してます。
それでもそいつの顔面が消えないのです…。今までの人生なんでも思う通りなっていて社会人でこうなるとは予測もつきませんでした。
よく悪いことのあとはいいことがある、いいことが起きる前の前兆とありますが、人生のどん底から這い上がる時モチベーションはどうしていますか?
回答
生きる上で私たちにとって何が一番大切なのか?と考えると、結局のところ最後の最後は人との繋がだと思います。やっぱり人って社会的な生き物ですからね。
その上で、仕事をするというのは、人類が開発した社会貢献のしくみだと思うんです。自分の仕事がどれだけ役に立ったかがお金に換算されて自分のギャラになる。過去を反省したり、夢を描くのも大事なことですが、目の前に今を毎日毎日どうしたらもっと人に貢献できるかを考えて行動することの方が実は幸せなことで、もっと重要なのではないかと思います。
また、モチベーションについてですが、人の行動の動機はつきつめると実は2種類しかない、という話があります。そのひとつは恐れです。よく言う危機感というヤツです。でも、これに動かされているうちは、自分の意志や主体性に欠けるため中身が充実しないらしいのです。じゃ、どうするか?お察しの通りもうひとつの方のモチベーションを使えばいいわけですが、それは、愛です。
というわけで是非、あなたの愛であなたらしい社会貢献を。
回答に対して
わかりやすい説明ありがとうございます!
過去に囚われず今を生きます!
モチベーションを刺激する2種類の誘因について
一般にモチベーションには外発的動機付けと内発的動機付けの2つの種類があると言われています。その内容について解説します。
外発的動機付け
いわゆるインセンティブや評価、昇格などの人為的な誘因で行う動機付けです。高い効果は見込めますが、その効果は一時的であり、個人の成長にも繋がりにくいと言われています。
内発的動機付け
自分の内面にある興味や関心から生まれた意欲や、やる気に基づいているというものです。自身の仕事に「やりがい」を感じる事で向上させるモチベーションは、効果を持続しやすく、個人の成長に繋がりやすいと言われています。
行動の動機の誘因となる2種類の感情について
EQコーチングの第一人者、野口嘉則氏さんは著書「3つの真実」で、人間の行動の動機は、突き詰めていくと愛か恐れかのどちらかであると言っています。
動機が恐れの行動
単なる危機感で動くというだけでなく、人から認められたいという承認欲求も動機は恐れ。上司がやる気のない社員へ対すして怒りをぶつけるように叱る行為も、自分自身を守るための恐れが動機の行動です。
この恐れには、混乱させられて振り回される。人間は、恐れによって行動するとき、本当の幸せから遠ざかっていきます。
動機が愛の行動
仕事で一番たいせつなものは社会貢献です。従業員、客、取引先、事業に関わるすべての人に喜んでもらうこと。この社会貢献は、会社だけでなく家族ともできる。家族に喜んでもらうこと。幸せな家庭を気づくこと。そこから周囲の人達に幸せが広がっていく、これも立派な社会貢献です。
本当の幸せは愛に生きるとき、もたらされます。
「いま、ここ」に生きよう、という動機づけ
私たちは「いま、ここ」にしか生きることができません。アドラー心理学は、計画的な人生を「不可能です」ときっぱりあっさり言い切ります。今を充実させた結果として、どこかに到達させてくれるという感覚が、受容するべきありのままの世界です。
自己受容とは、人生が繰り返し連続する刹那だという事実も見逃さないことです。未来ばかりを見ていても、残念ながら、期待している安心や安定は保証されるものではありません。だから、「いま、ここ」に強烈なスポットライトを当てて、真剣に生きようというのが、アドラー心理学のメッセージです。
これは、内発的モチベーションの喚起ですし、自分の人生を具体的に愛してやりなさいという動機づけです。自立を目標にした教育であり、カウンセリングであり、勇気づけです
おしまいに
アドラー心理学のコンセプトともいえる「勇気づけ」は、思えば「動機付け」という言い方の方が一般向けです。もしも、本のタイトルが「嫌われる動機」だったらどうだったでしょう。あんなに売れましたかね?
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