人の不幸は蜜の味、この感情をどう扱うか?について

共同体感覚

「人の不幸は蜜の味、このイヤらしい感情はいったい何者?」
「勝ち誇ったような態度がやめられないのは何故?」

そんな風に思ったことはありませんか?
私はときどきあるのです。

  • 「人の不幸は蜜の味」この感情の正体を説明し、
  • この感情の取り扱い方を提案します。

アドラー心理学の考え方をベースに、最近の脳科学の知見を交えてまとめます。

では早速、本題です。

「人の不幸は蜜の味」この「感情」について

相手を引きずり下ろしたり、自分よりも上だと思っている人が失敗したときに感じる喜びが「シャーデンフロイデ」です。この感情について書かれた、脳科学者の中野信子さん「シャーデンフロイデ 他人を引きずり下ろす快感」が評判です。

ここで語られるのは、実は、種としてあるいは個体としての生存のための必要性が、シャーデンフロイデにはあったということです。

自分たちよりも不当に得をしてる人を許さない。引きずり下ろす、という行動に喜びを報酬として与えて、これを促進することが共同体の維持には必要だったわけです。

「人の不幸は蜜の味」この時の「行為」について

「人の不幸は蜜の味」について、既に100年前にアドラーは次のように語っています。

相手を落とすことで、自分は何の努力もせずに「勝つ」。他人の不幸は蜜の味、中傷、告げ口、秘密の暴露…。この卑劣な戦略を「価値低減傾向」と呼ぶ。

ー「アルフレッド・アドラー 一瞬で自分が変わる100の言葉」よりー

「価値低減傾向」は、自分を高めるのではなく、相手をおとしめることで勝者になろうとすることです。悪意を込めて、相手の品位を下げようと企む神経症的な「行為」です。

この状態がさらに悪化すると、精神疾患になったり、もしくは、犯罪などの反社会的行動に走ったりするとアドラーは考えました。

感情の取り扱い方について

私たちは「感情」という得体のしれないものに支配されているのではない。
自分の向かう方向や態度の自信がないとき。感情を創り出し、自分の背中を押しているのだ。

ー「アルフレッド・アドラー 一瞬で自分が変わる100の言葉」よりー

感情は、どこからか忽然と泡われる得体のしれない存在ではありません。自分自身が自分の背中を押すために、自分で作りだし、自分で使っているのです。

人は性格に沿って行動します。それが、コモンセンス(共通感覚)とずれている時に、自分の性格を押し通すために感情を創り出し、利用しているのです。

公式のように表現するとこんなことでしょうか。

行動=性格(方向性)×感情(推進力)

とするとつまり、

シャーロンフロイデ(感情)があるために、価値低減傾向(行動)になるのではありません。人をおとしめようとする判断(性格)が、シャーロンフロイデを創り出し、高めることで、自分の背中を押して価値低減傾向(行動)へと陥っていくわけです。

もし、自分たちよりも不当に得をしてる人が本当にいたとしても、半笑いでひきずり下ろすのは、やっぱりなんだか気持ちが悪いです。

それを喜んでしまう感情があることは、認め許しながら、普通に冷静に穏当に対処したいものです。

まとめ

他人の不幸は蜜の味は「シャーロンフロイデ」という喜びの感情でした。
しかし、この感情を言い訳に、残念な行動に出てしまうのは「価値低減傾向」という精神症かもしれません。

感情は、そもそもの自分の性格を行動に移すための勢い、だけのものなので。

Stay cool!いかなる問題にも、穏当に対処したいものです。

あまりに我慢が必要なら、性格を変えなきゃいけませんね、病む前に。

「人の不幸は蜜の味、この感情をどう扱うか?について」

※参考書籍

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